支持体とは絵を描く時に絵の具を支えるもの、面です。例えるならデッサンする時の画用紙、油絵を描く時のキャンバスなどを言います。
では写実的に絵を描く時に使う支持体は何が良いのでしょうか?SNSでは色鉛筆でとてつもなく精密に描く作家さんもいらっしゃいますが、その場合はケント紙を使っています。私の場合は最初市販のキャンバスに油絵の具で描いていました。
ただそれだと細かい部分が描きにくくて苦労しました。キャンバスにも種類があって、荒目、中目、細目とあって、市販の安いキャンバスは中目で下処理がされていて、アクリルでも油絵具でも描けるものになっています。
お勧めはいっそ木のパネルにそのまま描くか、細目のキャンバスで下処理がされている物を自分で木枠に貼って作るかです。油絵の歴史を辿ると元々は木のパネルに描いていたのが、15世紀くらいから大きいものを描くのに適しているということでキャンバスに描くことが普及し始めました。あまり大きいサイズのものを描かない、小さいサイズのもを精密に描くなら木のパネルが準備も簡単なので良いと思います。
1木のパネルの種類
ラワンベニア、シナベニアの二種類があります。ラワンベニアは世界堂などの画材屋で買うことができますが、ヤニやアクが染み出してくるので、ヤニ止めシーラーが必要になります。一方シナベニアはAmazonなどの通販(クレサンジャパンなど)で買うことができます。万が一のことを考えればシナベニアの方がお勧めです。
2下地作り
キャンバスに描くときも木のパネルに描く時も初めに下地作りが必要になります。古典的な方法だと白亜地などを作るのですが、私の場合面倒なので、ジェッソを使います。ジェッソとは白色地塗り材です。油絵具の場合でもアクリル絵の具で描く場合でも使えます。
これを水で1対1くらい(ちょっと水っぽいなと思えるくらい)薄めて、刷毛でパネルに塗っていきます。この時面倒くさがらずに丁寧に塗っていかないと後々まで響いてきます。パネルの面に対して縦を塗ったら、次は横と交互に塗っていきます。乾燥を早めるためにドライヤーを当てても構いません。また刷毛の毛が抜けて付いたり、刷毛跡がなるべく残らないように塗っていきます。
この作業を4、5回繰り返して下の木が完全に見えなくなったら、紙ヤスリで表面を磨いてなるべく平らにしていきます。完全に平らになったら出来上がりです。アクリル絵具で描く場合は指で支持体を触って乾いていたらそのまま描き初めて大丈夫です。油絵具を使う場合は、一日寝かして完全に乾かしてから描いた方が良いでしょう。
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